土地・建物などの管理保全

土地家屋調査士 伊藤慎二

土地家屋調査士   伊藤慎二
 相続財産の中で土地・建物など不動産の管理保全についてのお話をさせて頂きます。
まず、土地や建物はどのように管理され守られているかご存知でしょうか。

 日本には、土地や建物の状況と所有者や債権者を公示する制度があります。
これを不動産登記制度といいます。

 たとえば、ある土地について、その土地がどこにあって、どんな形の土地なのか? 面積は? 誰が持っているの?・・・ といった内容の情報を、法務局の登記簿に記録し、その位置や形を地図、測量図に記録し、これを誰にでも公開できる制度です。

 内容に変更があっても行政機関がみなさんに代わって登記してくれるわけではありません。
それはご自身で行う必要があるのです。

 もし、不動産の表示に関して調査したり、測量したりする必要があれば、『土地家屋調査士』と言う専門の国家資格者が、代理して手続きを行うことが出来ます。

 相続には、必ず不動産がつきものです。
一度、市町村が作成する土地・建物の一覧、いわゆる「名寄帳」を税務課で取り寄せ、法務局で登記簿や地図、測量図をしらべ、現地に足を運んで見て下さい。

 お隣との境目に境界杭は入っていますか?近年は、権利意識の向上に伴い土地の境界でもめることも少なくありません。

 解決には膨大な労力、時間と費用がかかります。
生前に親が測量費用を負担することで相続財産を減らし減税効果が期待できますし、時間に余裕をもって隣地所有者と立会に望むことも出来ます。

『杭を残して悔いを残さない』よう、事前の準備を行っておくのがよいのです。